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招かれざる、あれ。

「出るなよ?いい子だから出てくるんでないぞ?」

地下にはたくさんの浪漫が眠っている。
ティラノサウルスさんに徳川マネーに何ぞやの秘宝。

埋蔵物包含地というものがある。
文字通り「この辺りには埋蔵物(土器やら遺跡的なモノ)が埋まってるよ」というエリア。
各行政によってあちらこちらに設定されているのだが、
このエリアで建築工事を行う場合は行政へ届け出なければならないのだ。

「このあたりはたいへんに貴重なあれやこれが埋まっている、かもしれないエリアぞ。
いきなり家を建てずにちょいとお待ちよ。どこに建てるのだい?
建てる前に何もいないか、ちょいと地面を掘らせておくんない。」というわけである。

そしていざ当日。ここ掘れわんわん。
招かれざる、あれ。_f0264759_1924528.jpg


建築予定の建物に支障が出ないところをこの様にわんわんするのである。

僕:「この辺りって、よく出たりするんですか?」
市のかた:「先月に向こうのほうで結構出たんですよ。」
僕:「?!」
僕:「えーと、もし出ちゃった場合ってどうなるんですか?」
市のかた:「その場合は本格的に調査したいので工期の見直しをお願いするかもしれません。」

まずい。出るな。出るなよ?
かつてこの場所に建っていた建物の塩ビ管の残骸が出土するたびにびくびくする僕。
世にも珍しい「塩ビ管にビビる男」とは僕のことだ。

結果がわかるのは同日の夕暮れと市のかたは言う。
心臓が持たないので、あとは宜しくとばかりに現地を後にしたのだった。

速報:「お向かいの田中さんちのお茶碗」クラスの縄文土器、数点出土。
結果:「お向かいの田中さんちのお茶碗」なら問題なし。存分に建てるのだ。

こんな風にして建築は始まるのである。
by ai-labo | 2017-05-26 10:00