人は、自分の目で見たものが真実であると思い込む。
そして脳内で導き出したその答えが正しいものであると認識する。 そこにはある種の絶対性が存在していて 一切の吝嗇を付け入れさせまいと強固に壁を築く。 もしその壁に何者かがナイフを突き立てようものなら、 ありとあらゆる手段で防衛するだろう。 自身の絶対性が崩壊の危機に瀕してしまうからだ。 先日の深夜ごろ、僕は実家に帰った。 実家のマンションは子育て世代が多く、すでに静まり返り物音もない。 エレベーターに乗ろうとボタンを押しかけたその時、視線を感じる。 エントランスを見ても、他に帰宅してきた人の姿はない。おかしい。 反対に廊下の奥に目をやる。 そのとき目線の隅に影を認める。 それの背丈は150cmに満たない。ということは子どもか? なぜこんな時間に。しかもこちらを覗き込むように。 まさか閉め出されてしまったのか?恐る恐る近づいてみる。 数歩近づき、思わず息を詰まらせる。 それの腕は極端に短い。首も奇妙に傾いでいる。 そして何よりもそれの全身は、黒い。 え?いやいやいや、こども。あれはこども。 まさか。そんな馬鹿な。ないないない。 近づかないほうがよいのでは?と警鐘が鳴る。 しかし歩みは止まらない。 とうとう3mまで近づき、それの全容が見えてしばらく思考が停止する。 それは、ままちゃりであった。
by ai-labo
| 2017-01-29 10:00
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