徳田英和設計事務所・徳田です。こんにちは。
今回は昨年12月に竣工した「稲口町の家」を紹介したいと思います。 稲口町の家(愛知県春日井市) 設計:徳田英和設計事務所 施工:和工務店 写真:そあスタジオ 「ごはんを食べ終わったら床に寝転んでテレビを観られるような、そんなくつろげる家にしてほしい」というクライアントの要望から「稲口町の家」の設計は始まりました。 名古屋にほど近い郊外、畑が点在するようなのんびりとした場所ですが、準防火地域であり、間口が狭く南北に長いうなぎの寝床のような敷地に、2台分の駐車場を確保したうえで、4人家族のための34坪の家と小さな庭をつくるという厳しい条件でした。 1階の広間はキッチン一体型の掘りごたつ式ダイニングテーブルを中心にワンルームの茶の間空間を提案しました。 床に座ったときちょうどよい高さに感じるよう低めの天井にしていますが、窓やドアを天井いっぱいまで高くし低さを感じさせないよう配慮しています。むしろそのことでデッキテラスを通して庭までが広間であるかのように広がりを感じるよう意図しました。 また空気集熱式床暖房を採用して寒くない程度の床温度まで底上げするとともに、床材としてやわらかいパイン材無垢フローリングを選びました。手触り足触りのいい、表面の木目を立体的に浮き立たせた浮造り(うづくり)のものを使用しています。壁・天井はドイツしっくい塗りなので、ソーラーの熱がなんとなく蓄熱して部屋全体に温もりを感じます。 キッチン側の床は階段3段下げ食事を作る奥様がダイニングの子供たちと視線が合うようにしています。開放的なキッチンは雑多なものが気になるので、隣接してパントリーを設けました。パントリーはソーラーの範囲外でこの家唯一の寒い場所です。ソーラーの家の欠点は家の隅々まで暖かいこと、こういう場所を作っておけば、野菜など収納しておけるので冷蔵庫は大型である必要がなくなるのです。 この家は空気集熱式ソーラーによる床暖房とお湯採りのほかに、太陽光発電、高性能な断熱気密、高効率照明・空調機器を装備しゼロエネルギー住宅として採択され補助金を受けていますが、設備だけに頼るのではなく建築的な工夫が大切だと考えています。パントリーもそのひとつですが、広間の天井高さが一般の家より20センチ低いので暖冷房エネルギーがそれだけで約1割少なくなります。また窓も天井いっぱいにしているので直接入る太陽光の熱(ダイレクトゲイン)も大きい。 そんな工夫をひとつひとつ積み重ねた結果、果たして「床に寝転んでテレビを観られるようなくつろげる家」になっただろうか。 徳田英和 hidekazu.tokuda@gmail.com 徳田英和設計事務所 171-0031東京都豊島区目白3-8-6吉村ギャラリー2F TEL 03-3954-6161 / FAX 03-3565-6079 http://tokuslifegoeson.blogspot.com/
by ai-labo
| 2014-04-06 00:00
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