カテゴリ:市川 淳( 13 )

愛される建築とは

一年半も前のことになるが三軒茶屋でお芝居を観た。
タイトルは「解体されゆくアントニン・レーモンド建築旧体育館の話」。特に好きな役者さんや作家さんの作品というわけではなくタイトルだけが気になって切符を買った。スケッチは開演直前の舞台。

f0264759_12242461.jpg


名建築の保護運動に関わった青春サクセスストーリーかと思ったら、レーモンドの建築は直接関係がなく、若い女性のキャストやスタッフが創ったお芝居で、大学時代の思春期の成長心理を掘り下げたお話。友情や将来の悩みのなかで失うものを消えゆく建築にオーバーラップして描いた内容だった。よって劇中にはレーモンド建築の具体的な意匠や歴史の説明はほとんどない。こんな解説では劇の内容が全く分からないと思うがご了承いただきたい。

ひとつ間違いないのはレーモンドの建築が想い出を内包する器として大切にされていたということだ。そのような建築物は世の中にどのくらいあるのだろうか。建築されてから10年後、20年後、そして解体されるときまで人々に影響し続けて、愛される建築とはどのような建築なのだろうか。簡単に分かる問題ではないが、そのことをちょっとでもイメージして設計することは大切かもしれないと思うのだ。

それにしても三谷幸喜さんやクドカンさんが創ったお芝居を観ることが多く彼らも結構破茶滅茶と思っていたが、20代の若い方の作品は難解で、ついてくのがやっとの状態だった。
by ai-labo | 2016-08-30 12:25 | 市川 淳 | Comments(0)

「だんだんの家」完成しました!

この度、北斜面の敷地に家族のつながりをテーマにした「だんだんの家」が完成しました。スキップフロアにすることで、空間を連続させて、家族の気配も感じることができます。オーナーさんのご厚意で見学会を開催しますので是非いらして下さい。私が描いた絵も何点か展示する予定です。

f0264759_20444128.jpg


見学をご希望の方はご連絡下さい。地図をお送りします。予約制になっております。

相羽建設

f0264759_20462017.jpg

by ai-labo | 2015-09-21 20:46 | 市川 淳 | Comments(0)

池袋駅

市川の投稿です。

生活行動範囲の関係で西武線池袋駅を利用することが多い。
主要都市の駅ホームは駅ビルの1階になることが多く
太い柱が並んでいて、なんとなく閉鎖的なイメージがある。

ところが当該ホームは一部天井が高くボールト屋根になっている。
テレビでみるヨーロッパの駅にちょっと似ている。
夕刻の逆光をパチリ。

f0264759_1724447.jpg

by ai-labo | 2015-02-24 17:04 | 市川 淳 | Comments(0)

舞台美術について

市川の投稿です。
少し前にお芝居を見に行ってきました。渋谷の劇場で行われた舞台で脚本が宮藤官九郎さん、演出が河原雅彦さんという最強タッグ。このふたりが関わるお芝居を見るのは初めてで、ある程度覚悟はしていましたが、想像以上にブッとんでいました。特にクドカンはあまちゃんのイメージがあったのでそのギャップに唖然としました。

あらすじは割愛しますが、実話の連続殺人事件をモチーフにしてまして、夏帆さん演じる清楚な少女が実は黒幕で、電気ショックで次々に人を殺し、死体をバラバラにするのです。それを、ギャグをはさみつつ臓物を手に持って全身血だらけでどこかの大学の大根踊りさながらミュージカル風に楽しげに踊るのです。場内は大爆笑。わけわりません。興味のある方は是非DVDを見てください。

前置きは長くなりました。そんなわけで時々お芝居を見に行くのですが、舞台美術を見るのがひとつの楽しみになっています。そのお芝居の舞台の雰囲気づくりは舞台美術で決まるわけで歴史もののお芝居ならその当時に観客がタイムスリップして覗き見しているような錯覚が起きます。

f0264759_13511177.jpg

精巧につくられた舞台美術にいつも関心するのですが、私が設計する建物とは当然目的が違っていて、あくまで演出の一部なので、観客が見やすいように床は客席側に勾配があったりします。窓も当然景色見るものでなくて、窓が次の場面では絵の額になったり、暗転したかと思うと拘置所の面会窓になっていたり、舞台という限られたスペースでいろいろな場所を表現するためにいろいろ工夫されています。建築の常識とは全く違った世界を見ることができるのが本当に楽しいです。

建築の設計とは全く目的は違うので応用することはできないと思いますが、もしかしたら何かのヒントになるかもしれないと舐めるように舞台の隅々まで眺めるのでした。
by ai-labo | 2014-04-30 13:53 | 市川 淳 | Comments(0)

白熱電球は生存可能!

市川の投稿です。
先日、大学時代の後輩が事務所に訪ねてくれました。建築学科の後輩でありサークルの後輩でもある彼は照明空間のデザイナーをしています。器具のデザインではなく、照明計画が専門で、店舗、オフィス、住宅など用途は問わず計画しているそうです。

久しぶりの再会だったし、後輩が訪ねてくれることもない私は嬉しくなって昼食をおごったりして先輩面してみました。といっても安いラーメンでした、後輩君ごめんなさい。そんな状況で照明業界のことや、計画のノウハウなどなどいろいろな話ができました。

その話のひとつを紹介したいと思います。
照明器具には白熱球、蛍光灯、LEDなどの電球の種類がありますが、昨今の省エネ志向やコスト、取替え頻度などを理由に白熱球は絶滅危惧種になってLEDが主流になりつつあります。

でもやっぱり白熱球の持つ演色性(色の再現性)や目への優しさは捨てがたい魅力であります。同じ色温度に設定されているLEDと白熱球で比べると、照らされたお料理の美味しく見える度合いは全く違いますよね。LEDは蛍光灯のように認識できない速さて点滅しているので目は疲れるそうです。

f0264759_23494163.jpg

「やっぱり白熱球はなくなっちゃうのかな?」という私の問いに意外な答えが。「そんなことはありません。うまく使えば劇的に寿命が延びますよ。」

どういうことかといいますと、白熱球の照明器具に調光器を取り付けて常に80パーセントぐらいの出力で使い続けると寿命が十数倍になり数年は切れないそうです。食卓のペンダントに100W球を設定してちょっとだけ絞って使うなど。高い演色性が必要なリビングや食卓だけに限って白熱球を設定すればそんなに電気代もかからない、という説明をすれば住まい手さんには納得してもらえるとの話でした。

なるほど、なんとなくヒカリがみえました。まだまだ白熱球は生存可能かもしれません。今のうち100円ショップの白熱球を買いじめするしかないかな。
by ai-labo | 2014-04-16 23:53 | 市川 淳 | Comments(0)

松山で勉強会を開催

市川の投稿です。
先週の土曜日、愛媛県松山市で勉強会が開催されました。進行中のまちなみプロジェクトに関連する勉強会でその講師として参加したわけです。全2時間の前半は迎川さん(木造ドミノ研究会事務局長)が担当し、後半1時間私が話しました。

f0264759_11462996.jpg

「メルティタウン久枝」計画の魅力の説明と、まちづくりやいえづくりを通じて松井建設のファンを増やすことが目的で、20人弱の方々にお越しいただきました。
全5回シリーズの初回ということで私自身手探りな部分もあったのですがなんとか言いたいことお伝えできたかと思っています。
少子化等で受注件数が減少傾向のなかハウスメーカーとの差別化が必要で、地域工務店さんができることをテーマにまちなみプロジェクトがスタートしました。モデルハウスが完成し、そこでの考え方をみなさんに知ってもらうというわけです。
まだまだ道半ばですが、今後が本当に楽しみです。

f0264759_11474297.jpg

by ai-labo | 2014-04-04 11:52 | 市川 淳 | Comments(0)

「色」をつかう

市川です。私はときどき絵を描きます。
技術力がないせいかとりあえずいろんな色を重ねていくのでまとまりがない絵になりがちです。人物を書く際も青をベースにその上にオレンジをのせる、という具合です。

f0264759_14595223.jpg


一方、住宅の設計をしていると色を使うことが少ないように思います。無垢の木材をつかったり、シックイを使ったり、気が付くと、茶色と白ばかり。キッチンのタイルの色を決める打合せでも議論を重ねたあげく「飽きがこない白にしましょう」ということになってしまうことが多いです。

確かに自然素材のままの色が本能的に一番落ち着くことは間違いないのですが、その木だって、樹だったときは花を咲かせて色を使っていたはず(?)と考えれば、もう少し住環境に色を使ってもいいのかなと思っています。

というわけで階段の縦格子にちょっとだけ色ガラスを嵌めてみました。松山にありますモデルルームです。

f0264759_1514566.jpg

by ai-labo | 2014-03-19 15:06 | 市川 淳 | Comments(0)

まち歩きのご報告。

こんにちは。市川の投稿です。
先日行われた暮らしの学校「建築的まち歩き」ご報告です。

f0264759_1628943.jpg


天気に恵まれ晴天でぽかぽか陽気のなかまち歩きができました。
東村山をぶらぶら歩きながら

きれいな土蔵を見つけたり、
川沿いの並木で撮影したり、
変な装飾の建物を批評したり、
歴史的建造物を見学したり、
ハヤトウリのお漬物をいただいたり、
地元産のうどんをいただいたり、

短い時間でしたが東村山らしさを堪能できたと思います。

ただ、その「東村山らしさ」ですが積極的に残そうと思わなければどんどん消えていくような気がします。行政も生垣や樹木に補助金を出して保存しようとしてますが限界はあるでしょう。一見あまり特色がないようなそのまちでも必ず歴史や文化があってそれを少しでも意識することで「らしさ」を残すことにつながるように思います。今回の企画は本当に微力でありましたが市民レベルで何ができるかを少しでも考える機会になればいいなと思っています。

ご参加いただいた皆様、ご協力いただいた関係者の皆様、本当にありがとうございました。宣伝方法など私自身、反省することがありますが、とても素敵で楽しい時間になりました。

以下、ワンシーン集。

映画にでてきそうな大きな樹と生垣。
f0264759_16292430.jpg


大善院の参道。角の豆腐屋さんがめだかをたくさん飼っています。かわいかったな。
f0264759_1630538.jpg


天気がよくてよかったです。
f0264759_16303661.jpg


ハヤトウリのお漬物に舌鼓(しょうゆ、みりん、酢を同割合で味付け)。保育園「空飛ぶ三輪車」でお世話になりました。緊急のハヤトウリ狩をさせていただいて実をたくさんいただきました。保育園の先生方ありがとうござます!
f0264759_16305721.jpg


北山公園で休憩。駅前で買い込んだ、名物「だいじょうぶだ饅頭」で燃料補給。
f0264759_16312015.jpg


北山公園の高台からパチリ。
f0264759_16314440.jpg


雑木林でマイナスイオンを浴びました。
f0264759_16321074.jpg


最後は地元産小麦のうどんや野菜天をいただけば疲れも吹き飛びます。
野口製麺所のマスター、ありがとうございました。大好評でしたよ。
f0264759_16322984.jpg

by ai-labo | 2013-11-21 16:34 | 市川 淳 | Comments(0)

暮らしの学校 建築的まち歩き

皆さま、こんにちは。市川の投稿です。

先日、まち歩き企画の最終確認のため東村山を歩きまわりました。
それが本当に楽しかった。
歩いてみたら企画当日には回りきれない箇所も出てきてしまうのが残念。

あらためて企画の趣旨は説明しますと、
普通の住宅地に見える東村山ですが、よく見てみると・・・

・きれいな土蔵がいっぱい残っているぞ。
・手入れされた生垣があちこちにあるぞ。
・変わった建物があるな。
・おいしい手打ちうどん屋さんが多いぞ。
・3本も川があるのに田んぼがほとんどない!

などなど。
新宿や池袋から一時間圏内でありながら畑、農家、雑木林が多く残る興味深い東村山。

f0264759_13104647.jpg

ただ、ちょっと気になるのが、あまり特色のないどこにでもありそうな住宅が多くなりつつあって折角の東村山の雰囲気が薄れていきそうに思うのです。その薄れつつある東村山らしさを見つけようというのが企画の趣旨です。

東村山の歴史探索ツアーは専門家にお任せするとして、建築的な目線から建物の外観や外構、その周辺環境を見ながらゆったりとした気分でカメラ片手に歩こうと思っています。

さて、今回の最終視察の報告です。
案内人であります、徳田さん、西尾さん、私の3人に午前中から歩いてみました。いろいろ寄り道しつつ、脇道にそれては変な色に塗装された住宅を見て笑ったり、仕事のようで仕事でないこの時間を楽しんでしまいました。

大善院には、溶岩で大きな山を造って仏像を数十体建ています。
そのデザインセンスに脱帽です。

f0264759_13115528.jpg

次に向かったのが「空飛ぶ三輪車」という素敵な名前の保育園です。突然お邪魔したにも関わらず、本当に親切していただきました。手作りのパーゴラにはハヤトウリがぶら下がり、山で拾ったどんぐりやつるでオブジェやかごを手作りされてました。小さな田んぼもあったり、自家製ひょうたんで照明器具を作ったり、時間を忘れて見学させていただきました。
今回の企画で見つけたいことのヒントがこの保育園にあるような気がました。当日は外観だけの見学になります。お土産までいただき、保育園の皆様、本当にありがとうございました。

f0264759_1313974.jpg

保育園ですっかり感動しましたらお腹がすきまして、小島屋さんと野口製麺さんのうどん屋さんをはしごしました。元来うどん好きの私は大満足。西尾さんは若干呆れ顔。

f0264759_13332988.jpg

満腹になり充電完了。八国山でたくさんのマイナスイオンを浴びながら雑木林を抜け松が丘の住宅地を見学。著名な建築家の作品などあまり見られないデザインの住宅が並ぶ高級住宅地を3人で批評しながら歩きました。西尾さんのご自宅に到着。きれいな庭を見ながら今日の反省会です。ビールまでご馳走になりました。
(八国山→松が丘→西尾さん宅、は残念ながら企画の行程に入ってません。)

f0264759_13141839.jpg

そんなこんなの一日でした。まち歩き企画もこんな感じでゆったりとした気持ちのいい時間にできればいいかなと思っています。是非ご参加下さい。

f0264759_1315494.jpg





暮らしの学校 第3回あいらぼ企画
建築的まち歩き

f0264759_13484476.jpg


カメラ片手にゆったり歩く
ふしぎなまち東村山を再発見!

平成25年11月16日(土)
工程:
・相羽建設本社集合 →アクセス
・10:00スタート(9:30受付)
・14:00ごろ解散
参加費:1,000円/人
定員:10名
持ち物:デジタルカメラ

案内人:市川淳 市川設計
    西尾春美 にしお設計室
    徳田英和 徳田英和設計事務所

注意点:
・雨天中止とします。
・歩きやすい服装で。
・お飲み物をご持参ください。
・昼食をご用意いたします。

   
申込・問い合わせ:相羽建設株式会社 0120-145-333
mail@aibaeco.co.jp
by ai-labo | 2013-11-11 13:25 | 市川 淳 | Comments(0)

家(いえ)と家(ケ)

市川の投稿です。
この夏、数年前に亡くなった祖父の家が解体されました。特に高級な材料で造ってあるわけではなかったのですがまだまだ住める家でした。結局使う側の都合で築50年ぐらいで寿命を迎えることになります。経済力や生活環境など理由はさまざまですがその家を維持することはできませんした。
f0264759_16245758.jpg

ふと思ったのが「家」という単語です。
音読みで「カ」「ケ」でなんとなくソフト的で、英語でfamily。
訓読みでは「いえ」「や」となりハード的なるようで、同House。
familyとhouseを日本では「家」というひとつの漢字で表されることがとても興味深いことかと思います。

その家の長男が跡継ぎになってその家に住み同じことを子供に託す、それが繰り返されて「いえ」と「ケ」が守られるという、ソフトとハードが一体になって継承されていた慣習が、近年崩れてしまって祖父の家のような結果になってしまうようです。

長期優良住宅を造りましょうと言われて、百年二百年住める家を造ってもそれは二代三代住み続けるわけではないとすればそれは何のための「丈夫なハード」なのでしょうか。建物自体に資産価値を持たせ売買することのみが目的であるならば少々さびしい気がします。

少々愚痴っぽい文章になってしまいまして、ごめんなさい。祖父からすれば私は孫ですが、孫と言ってもアラフォー。祖父の家のを守れなかった責任はないとは言えないと自分は、わずかな罪滅ぼしに家具や照明器具などをもらって来ました。大事に使い続けようと思いますが、今の私の住まいは骨董品店の倉庫のようになっています。

そんな夏でした。
by ai-labo | 2013-09-02 16:36 | 市川 淳 | Comments(0)