カテゴリ:菊池 潤( 42 )

使い勝手の個性

工事中のお家をちらと覗いてみると、
あちらこちらに大工さんのカスタマイズが見られる。

あるひとは「おやつセット」をがっちりと据え置き、
またあるひとは工房みたく、様々な道具なんぞをずらりと吊るしてみたり。
はたまたすぐには使わないものの、
今という時にすぐ手が伸びる位置に部材置きを組んでみたり。
f0264759_17362521.jpg

こうした何気ないものの中に大工さんのこれまでの年月が染みついている。
それぞれの大工さんのこれまでを感じるのもまた、
工事中の現地に赴く醍醐味であったりする。
by ai-labo | 2017-04-14 10:00 | 菊池 潤 | Comments(0)

開けてびっくり玉手箱

リノベーションを行う時には現地調査を行う。
実際に施工予定の現地へ赴き、
内部の現在の状況や、あれやこれの寸法をチェックする。
もう新品では揃うことの出来ないあれやこれがごろごろと眠っている。
たまらない。古道具好きにはたまらない。

和室の畳を引っぺがすと、新築時のものであろう新聞紙がこんにちは。
f0264759_1613199.jpg

天井を見上げればいい具合のランプあり。電球を変えればきっといい塩梅のレトロ。
f0264759_16133998.jpg

何気ない床も、近頃はさっぱり見ない板の張り方。
f0264759_1614510.jpg


あえて気にしなければきっと見過ごしてしまうような物たち。
身近なところ掘り返したらば、きっと玉手箱はそこらじゅうにあるに違いない。

f0264759_16143057.jpg

これは開けてはいけない玉手箱。インディジョーンズの予感。
by ai-labo | 2017-03-28 15:53 | 菊池 潤 | Comments(0)

息を呑む。

「本当にさっきまでは何も無かったんだよ。」

通常、ひとつの家を建てる場合
大工さんはひとり或いはふたりで工事を行う。
ところがそんな中、5人を超える大人数がやってくる時がある。

それが上棟。
前日までは基礎と土台までがある状態。それだけ。
それが朝の8時を皮切りにものすごい勢いで柱や梁を組んでいく。
いつもは他のお家を担当している大工さんが応援でやって来るのだ。
その場は圧巻。これぞリアルアベンジャーズ。
あの大工さんも。この大工さんも。うわあその大工さんも。

どうしても上棟は平日にするものだから、
なかなかお目にかかれる機会が少ないが、ぜひ見に来てほしいひとこま。
いや、何てったって格好いい。
背中で、手先で、顔つきで語っている。
f0264759_15464680.jpg

by ai-labo | 2017-03-27 12:06 | 菊池 潤 | Comments(0)

地元愛が高じて

黄色い私鉄電車に一切乗らない生活を送る人々は
東村山にどのようなイメージを持つのだろう?
恥ずかしながら僕は大学を卒業するまでこの地を存じ上げなかった。(こっそり)

そんな中、
わが社には東村山愛がぼうぼうと燃え盛っているスタッフばかりがそろっている。
もうこっちの身が焼け切ってしまうと心配するほど。

f0264759_212973.jpg


その「ぼうぼう」が高じてこんな展覧会はじめます。
▼郊外のすゝめ展
http://kougainosusume.jp/

暮らす場所を決めるうえで重要なのは
何も「ターミナル駅へ急行○駅○○分」の文字だけではない。
ターミナルからはちょっと離れているやもしれないが、
ここらだってこんなに良いところじゃない。

そんなあれやこれやを提案する会でございます。
日頃お付き合いのあるKoizumi Studioさんを筆頭に
あんな方やこんな方とともに。
大都会新宿の真ん中にて提案します。

期間中は一度ならず二度以上はお出でください。
by ai-labo | 2017-02-28 21:31 | 菊池 潤 | Comments(0)

さぴっと感

にっぽんの手仕事の納まりの美しさたるや。

只今、大絶賛工事中のこちらの現場。
階段回りにちょっとした吹き抜けがある。
この天井から吹き抜けに回る面の納まりがきれいに仕上げられているのだ。
いつもお世話になっている職人さんの手さばきが毎度眩い。
f0264759_18303428.jpg


梁を取り囲んだ、しゅっとした具合。境目の塩梅。
これらの具合を業界用語で「さぴっとしている」と言う。

ex)「この角のさぴっと具合がたいへんに良い。」
ex)「さぴっとか否か。さぴっとしているに限る。」
ex)「あなたのさぴっと感が、すてき。」等々。

ちなみに伝搬の祖を謳うは僕の友人である。周知の具合は言うまでもない。


なんと恒例のあの催しを近々やらせて頂く模様である。
ホームページをじぃっと眺めてしばしお待ちを。。。

▽カミングスーン
aibaeco.co.jp
by ai-labo | 2017-02-13 18:43 | 菊池 潤 | Comments(0)

思考が停止

人は、自分の目で見たものが真実であると思い込む。
そして脳内で導き出したその答えが正しいものであると認識する。
そこにはある種の絶対性が存在していて
一切の吝嗇を付け入れさせまいと強固に壁を築く。
もしその壁に何者かがナイフを突き立てようものなら、
ありとあらゆる手段で防衛するだろう。
自身の絶対性が崩壊の危機に瀕してしまうからだ。

先日の深夜ごろ、僕は実家に帰った。
実家のマンションは子育て世代が多く、すでに静まり返り物音もない。
エレベーターに乗ろうとボタンを押しかけたその時、視線を感じる。
エントランスを見ても、他に帰宅してきた人の姿はない。おかしい。
反対に廊下の奥に目をやる。

そのとき目線の隅に影を認める。
それの背丈は150cmに満たない。ということは子どもか?
なぜこんな時間に。しかもこちらを覗き込むように。
まさか閉め出されてしまったのか?恐る恐る近づいてみる。

数歩近づき、思わず息を詰まらせる。
それの腕は極端に短い。首も奇妙に傾いでいる。
そして何よりもそれの全身は、黒い。

え?いやいやいや、こども。あれはこども。
まさか。そんな馬鹿な。ないないない。

近づかないほうがよいのでは?と警鐘が鳴る。
しかし歩みは止まらない。
とうとう3mまで近づき、それの全容が見えてしばらく思考が停止する。
f0264759_950882.jpg

それは、ままちゃりであった。
by ai-labo | 2017-01-29 10:00 | 菊池 潤 | Comments(0)

毎度訪れるたびに「急だろ」とツッコミを入れている。
f0264759_963117.jpg

父方の祖父母の家は1階をガレージにしている。
そのため玄関を開けてすぐ階段なのだが、急だ。
測ってみると蹴上21cmに踏面も21cm。急だ。
さらに3階まで直通になっているものだから迫力が違う。
小さいころから親しんでいるため違和感は無いが、やはり急だ。
時々急勾配の階段を上るたびに、頭の中でこの階段と比べていたりする。

おかげで僕はこれらの急勾配の階段の上り下りがうまい。吹きさらすビル風の如し。
祖父母はさらに早い。その姿、豊後水道を荒れ狂う海風の如し。
老後に足腰を鍛えるためにも少しいじわる設計、も悪くない。
のだろうか??
by ai-labo | 2017-01-28 09:08 | 菊池 潤 | Comments(0)

ゲシュタルト崩壊

大掃除。それは怠け者にとって自らに下される鉄槌である。

僕にとってまさしく鉄槌そのもので
よし、頑張るか。あぁ、またこの時期が来たか、と頭がずんと重くなる。
頭が重くなってきたなあ。今夜はもう寝てまおうか。うんそうしよう。
この悪循環無限ループのツケ、なのだ。

全く困ったことに、物をどんどん積み上げてしまうジェンガ癖があるのだ。
プリントに本にセーターに鞄。同じ種類のものをどんどん積んでしまう。
どうにか出来ないものか。

今日は弊社全体の大掃除の日。一年のお仕事の〆である。
抜け駆けはご法度。精一杯やらせていただいた。
しかし少々ガソリンが切れてしまいそうである。
ゲッツと一瞬見間違えてふふ、と笑ってしまうくらいには。
f0264759_20421751.jpg

by ai-labo | 2016-12-28 17:35 | 菊池 潤 | Comments(0)

あれから十数年

一年の締めくくりの大イベント、クリスマスな週末である。
日本中のサンタさんも我が子に何を贈ろうか考え抜いたことだろう。

思い返せば、なんとも夢のない子どもであった。
「これほしいかってー」と駄々を捏ねることなど微塵もなく、
サンタさんにうきうきすることなど露知らない我が子を両親は見かねていたに違いない。

「この年頃の健全なる男子であればおもちゃ屋の床に埋没する勢いで
へばり付いてねだるであろう、ぴかぴか最先端のTVゲーム機だぞう。
ご覧。この魅惑あふれるマシンを。この眩いボデーを。買ってやるぞう。」
と世の男子諸君が耳を疑う特大ボーナスを差し出しても
「いーらない。それならその分のお金ちょーだいな。」の一言で袈裟斬りにしていた、らしい。

そんな可愛げの無い我が子を連れて、
故郷に帰省するために空港で土産物店に寄ったときのこと。
「これほしいかってー」と我が子。なんだって?
とうとう我が子も健全なる男子になったか。どれどれ何が欲しいんだい?
息子の指差す先には、壁に掛けられた民芸品の鬼の土面(※ワレモノ注意)。
息子の行く先が少し不安になった両親であった。

弊社のホワイトボードに現れたサンタさんを見て思い出した、そんなひとこま。
f0264759_13465645.jpg

by ai-labo | 2016-12-25 13:51 | 菊池 潤 | Comments(0)

風物詩

一体誰の許しを得て北風は吹くのか。
どこかの機関が許可証を発行したおかげで、ここまで寒いに違いない。
少し前までは「あちいあちい」と茹だっていたにも関わらず、
気がつけば師走はもうすぐそこ。

設計と言う仕事がら、なかなか表に出向く機会が少ないため、
必然と季節の移り変わりを実感する機会も少なくなる。
しかしながら。僕は毎度の冬を実感する音を持っている。

ふぃー、と鳴るのだ。鼻が。

毎年気がつけば鳴り始め、気がつけば鳴り止む。
風邪を拗らせている訳でも、鼻が詰まっている訳でもない。
通常の鼻呼吸をする分には主張して来ないのが幸い。
とは言え、毎年ともなればもどかしいのもまた事実。

痺れを切らしたのは高校生あたりの冬。
こんな僕と言えども当時は華の高校生男子。
カッコ悪いのは気になってしまうお年頃。
なんで毎年ふぃーふぃーするんだちくしょう。
まさかあなたの知らないうちに大変な事態になっている、なのか?
遂に、近くの耳鼻科へ赴くことにした。

事の成り行きを話し、レントゲンも撮ってもらう。
一旦、待合室へ戻り再び呼ばれて診察室へ。
さあどんな診断でも下してくれよお医者さん、と意気込み先生の前に座る。

「ああ、鼻曲がってるねえ。はっはっは。」

相手は高校生。笑いながら鼻が曲がっている、とは何と残酷な宣告か。
曰く、鼻の中の軟骨が少しばかり捻くれているらしいのだ。
故に空気が乾燥する冬になると笛の如く、ふぃーふぃー鳴るのではないかと先生は言う。

だから気にする事でもないのか、と言えばそういう訳でもないらしい。
何でも人によっては鼻の通気が悪いため、
鼻炎畜膿炎その他の症状が癖になってしまう人もいるという。

「鼻をグイっとやって、軟骨をベキっとすれば鼻の通りが良くなるよ」と先生。
そ、そんな怖いこと出来ない。出来る訳ない。
僕はこれからもこの鼻と生きていきます。

あれからもうすぐ10年。
今年もまた冬がやって来る。
f0264759_16495889.jpg

by ai-labo | 2016-11-30 12:00 | 菊池 潤 | Comments(0)