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なまけ者、山に登る

言うても、高尾山のそれ程度だべやという認識であった。
「気分転換にもなろうし、秋の行楽にぴったりである。」
何と甘ったるく能天気な当て推量か。この楽観主義者め。

アウトドア課長に連れられ、到着したるは群馬県のお山。
お気楽な認識にバッテンが付いたのはロープウェイ出口。
おかしい。岩肌がみえるぞ。なにやら切り立っているぞ。
昨日の雨のおかげでぬらりとしている地面。聞いてない。

ひいひいと、右足あげ左足あげ。掛けますことの数時間。
目指すは頂上付近の山小屋が誇る絶品のアイスクリーム。
近くを登るひとの会話が耳に入って以来、僕は虜なのだ。

アイスさまのためだから頑張っちゃったよ、と扉を叩く。
待ち構えていたのは、そんなもの無いという冷徹な現実。
これが今の日本社会かと嘆きつつ、辿り着いたるは頂上。

ほおう。

「なんで山に登るかって?そこに山があるからだろう。」
山の虜と化したクレイジーたちの常套句をふと思い返す。
時たまなら登ってあげてもいいよ、と思ってみたりする。

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by ai-labo | 2017-10-15 12:00